「われに足場を与えよ。されば地球を動かさん」、アルキメデスの有名な決めぜりふです。アルキメデスはシラクサの人。第二次ポエニ戦争では、ハンニバル率いるカルタゴの同盟軍として戦います。結局負け馬に賭けたのですが、彼は何と、シラクサ軍の参謀長格だったようです。無心に数学の研究をしていたら、通りかかったローマ兵に殺害された、というのはどうも眉唾です。ローマ軍を打ち破る天才的作戦図を描いていた可能性があるようです。戦時法により、ローマ兵には罪がありません。

数学者といえども市民で、市民なら戦時には軍人さんです。徴兵法も何もない時代ですから当然です。

  戦場(いくさば)ぬ哀り いちが忘しりゆら・・・・

ローマ兵を無知で無学で野蛮な天才数理物理学者殺しとして描き、ダーティな姿を後世に残したのは、そのアルキメデスの弟子達です。まあ確かに、ペンは剣より強いのです。この教科書の表紙の挿絵にも、剣より重い鵞ペンがあります。