☆★☆- ホンの幕間 -☆★☆

2003/01 << HOME >> 2002/11

[ 年の瀬 ]
早いもので(何が?)、再び歳末が近づいてきた。今年の冬は寒暖の差が激しい。寒暖といっても寒い日が圧倒的に多いから、寒々々暖ぐらいの感じではあるけれども。身辺は少しずつ変わっていくものらしい。恥ずかしながら電○毛○も入手した。おかげであまり風邪も引かずに済んだわけだが・・・複雑な心境である。お医者の先生に話したときには、

 テ「意識しないうちに、歳になっていたんでしょうね」

 医「まあ、それほどお歳ではないけど、お若くもないというあたりかと・・・」

優しい先生である。そう、話は替わるが、宛先不明の年賀状がすでに還ってきた。このあたり、かなり素早くなってきたようである。おかげで年内対応ができたものもあった。御用始めが過ぎてから帰ってくるのに較べ、心理的に、ぐっと気分がよい。K宰相も、気合いを入れる意味で、もっと民営化を騒ぎ立ててくれるとありがたい、と思った。

いつも同じ事を繰り返す・・・年の瀬である。
2002/12/30(Mon) 晴れ


[ 横浜晴天 ]
久しぶりの晴天でした。ご用納めも何とか終わったことだし、老残の身にも、「生きながらえて、何かありけむ」という感想であります。一番良かったのは、年賀状が早めに完成したことです。一昨年のように早すぎることもなく、適切な日取りに投函できました。おかげさまで、住所不明の葉書が、本日2枚も返ってきましたけどね。

休みを活用して、「テバトロン」を上梓しました。本物のテバトロンは、アメリカにあって、「TeV・・・」とかいうテラボルト級のエネルギーで云々というヤツらしいです。テバはそんなものには関心ありませんが、ま、あやかりとかいうやつで、そんなタイトルにしたわけです。本当の興味は、その寸前の人類の心境にあります。

おかげさまで(誰の?)、亜熱帯地方に例のフールが再現できそうです。キーワードは揃ってきたようなのですが、もう一踏ん張りといった感じがします。
2002/12/29(Sun) 晴れ


[ ボルタ ]
あの三度の食事より蛙が大好きだったガルバーニ(Ganot Collection、第8,9章参照)は、イタリアで活躍していました。が、本標題のボルタはフランスで活躍していたようです。コンセント、ヘルツときたら、当然、この方を無視するわけにはいきません。GCにもあるように、ガルバーニが少々先行していたので、ある種の電気にはガルバニズムの名称が与えられていました。ボルタがぼんやりしていたら、電圧の単位もガルバーニになっていたかもしれない、というきわどさでした。18世紀も終わらんとする時代だったので、ナポレオンのバックアップもあったようですが。

ま、しかし、目出度く「ボルト」は世界標準単位になりました。そこでその電圧の世界分布です。まず本家の欧州ですが、220〜230というあたりと、120〜127という辺が主流でありました。まれに240とか110もありましたが、ジブラルタルとかブルガリアとか英国の片田舎あたりのようで、かなりの小数派です。問題は世界です。電圧に関する限り、世界は相当の混沌ぶりでした。まあ、110と220周辺に大きく分かれるようですが、それにしても法則性がありません。歴史書が一巻書けそうです。米国本土が120なのにアラスカに127と240があったりです。

気の毒なのは一国三制度の国があることです。いってみましょう。アゾレス、ソマリア、南ア、モロッコ、インド、インドネシア、北朝鮮、フィリピン、マカオ、エクアドル、バミューダ、バルバドス、メキシコといったあたりです。大国のインド、インドネシアは別としても、人口2千万の某核大国まで入っています。大変ですね。この某国は100,200,220併存なのです。鴨緑江の向こうの超大国と沿海州の向こうの超大国は、いずれも220をやってますからそんなものだろうし、100はある種の後ろめたさと共に理解できます。しかし200の由来がわかりません。

このシリーズ、電圧でダウンといったところです。   
2002/12/22(Sun) 曇り


[ 百万年の鮎[琉球編] ]
リュウキュウアユは、約100万年前に内地の鮎と分化したとされている。これはN先生が遺伝子を調べてくだした結論で、今や学会の定説にもなっている。N先生は結構お若い。ヒゲの似合う好男子である。ところで、内地の鮎との違いについては、それ以前から着目している先生がおられた。その代表格はK先生である。K先生は、若いころ、彼がなぜ鮎の研究をしているのか、ということについて、相当な陰口をたたかれたらしい。曰く、「猿は、K君にとっては利口すぎるからだろう」とか、「虫では、いくらK君にとっても、バ○すぎるだろうからな〜」とか。K君の研究者としての青春も、暗く孤独なものであったらしい。

そのK君がK先生に変身するキッカケがあったという。ある時、ある学会で、自分の発表論文が間違いだらけであることを、直前に大先生から指摘されたらしい。いよいよ発表の番がきた。しかし、冒頭、「この論文は紙屑です」、と言うしかなかったらしい。すると空白の持ち時間が膨大に余ったという。そこで、かねて考えていたことを語ることになった。曰く、「鮎の縄張り争いは、北方ほど激しく、南方はそれほどではない。これは、餌になる苔が大変に少なかった氷河期の記憶である」と。突然の根拠レスな発表に、会場は騒然、K君は呆然。そこで米軍施政下の沖縄にリュウキュウアユの調査に行く羽目になった、という。

結果、驚くべし、リュウキュウアユの縄張りは狭い。いや、狭いというより、ないに等しかったという。ボクのものはキミのもの、キミのものはボクのもの、的生活を送っていたのだという。これを魚類学会用語では「縄張りがルーズだ」と表現する。和気藹々と暮らしている鮎さんたちをつかまえて、ヤクザ世界の観点から説明している。某国の某大統領のような、すさまじい表現である。ま、それはさておき、餌が豊富なら縄張り意識は低くなる、ということが判った。そこにN先生が、だめ押しのように、DNAから別亜種の証明をしたというのである。この鮎が、四半世紀の間、姿を見せていない。そこで「蘇生させる会」ができた。

本日は、今年最後の会合だった。奄美大島にかろうじて残るリュウキュウアユのことまで心配している。普段は清くお開きになる会合なのだが、一応、「貧ナリトイヘドモ忘年ノ儀アリ」ということで、ビールで、来る年への希望に乾杯をした。その席に、その絶滅したはずのアユが出てきたのだ。出てきたといっても、泳いではいない。行儀良く、皿の上に並んでいる。塩焼き、天麩羅、そして甘露煮。ちょっとベルトが気になるので、甘露煮は遠慮した。塩焼き、絶品である。川苔の香りがそのままだ。天麩羅は濃厚な味で、しかも野性味たっぷり。百万年の時代を超え、今、ここに甦る。ダバダ〜、ダバダ〜・・・。

しかし、こんなことをしていて良いのであろうか。幹事さんの説明によると、一匹700円也で市販されているらしい。こんなことで良いのであろうか。少し高すぎるような気がする
2002/12/17(Tue) 晴れ


[ ヘルツ ]
で、次は「全世界対応【自動切替】電圧変換器」です。電流ブレーカーと温度感知ブレーカーを備え(ICでしょう)、状態がランプの点滅で簡単に確認できます。「ご使用国の例」には「全世界」とあります。これじゃあ「例」じゃないような気もしますが、まあ、月や火星では駄目なのでしょうか。しかし重いものです。それは電圧変換に鉄心を使っているからなのでしょうね。買ってきたのは一番小さな50Wタイプですが、これが300Wタイプとなると、漬け物石を持って歩くようなものになると思います。

自動切り替え・全世界対応なのだから、そのまま持っていけば良いと思うのですが、附属資料に世界各国の周波数と電圧の詳細な一覧表が付いています。まずは周波数です。

 アフリカ ・・・ オール50
 ヨーロッパ・・・ オール50
 中近東  ・・・ オール50

このあたりはさすがです。欧州勢の独壇場ですね。アメリカがイラクやイランのハイテクにイライラするのもわかります。何たって、基本の電気でさえ欧州の技術がルーツなのですからね。さてアジアですが、大部分は50なのですが、フィリピン、南北朝鮮、台湾、日本の半分、これらが60です。米国と、遅れてやって来た帝国主義国○本、どうもそのあたりがからんだところが、60になっているのでは・・・そうすると、○本の帝国主義の「まほろば」は、60ヘルツ地帯にあるのでは・・・それとも植民地?

北米は文句なしの60ヘルツ地帯です。その北米の怒濤の寄りを、メキシコが50で頑張って支えています。そこで中南米。ここでは50と60が派手に混在しています。ラテン的ですね。とはいえ、60がやや優勢です。たとえば時計回りに見ていくと、ベネズエラ 60→ブラジル 60→アルゼンチン 60→チリ 50→ペルー 60→エクアドル 60→コロンビア 50のようになっています。一度、小さな国も入れて、白地図に色塗りしてみようかな。何か傾向が浮かび上がってくるのじゃないかなと思います。

最後にオセアニアです。これは半々の引き分け、といったところ。西サモア50ヘルツ、サモア(米領)60ヘルツ。このあたり、○本もこういうことで混在しているのかも知れない。
2002/12/16(Mon) 曇り


[ 夢の青空 ]
青い空を眺めていると、白い雲がゆっくりと流れていく。あの雪の日以来の青空だ。こんな日は気持ちがいいな〜・・・と思いつつ、はっと気づくと、防波堤の上に広げられた簀の子の上に寝ていた・・・アレレッ、と思って、ようく見てみると、アジの開きになって干されていたのである。

夢の中ほどではないが、久しぶりに青空も垣間見えた今日の天気だったが、一昨日は寒かった。前日の雪がたっぷり残る奥多摩の奥、武甲国境は小○村へ行ったのである。標高800メートルの現場は、切り開かれてコンクリートが打たれている。さいわい風はないものの、吹きさらしである。

杉・桧の間伐材をオガ粉(「クズ」とは言わない)にして、これに生ゴミ等を混ぜ堆肥にするというプラントの見学だった。村のAさんの苦労話を交えた熱弁をうかがう。30分もすると、革靴の底から寒さがしみ込んでくる。周囲は墨絵のような白・黒・グレーの世界、「雪中鷺」になったような心境だ。

やっと一通りの説明が終わる。頭の中は「ヒーターの効いた車の中」で一杯。いざ、・・・しかし、ああ無情。同行の一人がムツカしい質問を始めたのだ。これにAさんが力一杯答えてくれる。5分経過、10分経過、駄目だ、頭がボーッとなってきた。ここで眠ったら死んでしまうゾ! 頑張レ!

幸い、生きて車に転げ込むことができた。最後に質問したヒトは、鼻水を流している。風邪をひいたらしい。しかし自業自得だ。車はカーブの多い県道を、一路、上野○町へと向かって下っていく。スタッドレスタイヤもいい仕事してくれているが、融雪剤も撒かれて、路面には雪も氷もない。

 テ「融雪剤もいいけど、水質に影響があるようですね」

 P「そう、エンカリだからね」

 Q「でも、エンカル撒きは、冬の仕事としては悪くないそうで」

 R「まあ、林道工事も冬はないから、タンカル様々だろうね」

あれっ、みんな違う。それも少しずつ。帰ってから調べてみよう・・・(正解はQさんだったようです)。
2002/12/12(Thr) 晴れ


[ コンセント ]
「これひとつで世界中のほとんどのコンセントに対応できる新タイプのプラグアダプターです」というものを購入してきました。すごいですね。名付けて「オールマイティ・プラグアダプター」だそうです。そう、コンセントというのは和製英語(俗)なのであります。壁にあるのがソケット、電気器具から伸びているコードの先にあるのがプラグ、これが正解でした。

別のメーカーのカタログを見ると、ソケット〜プラグの形状は大きく4分類されています。Aタイプ=アメリカン、Bタイプ=ブリティッシュ、Cタイプ=ヨーロッパ、そして、Oタイプ=オセアニア、となっています。あれれっ? そう、多分、ヨーロッパはEタイプなんですよね。どこで間違ったのか、ずーっと、これでやってきてしまったんでしょうね。

それで、Bは更に、基本B、B3、BFの3タイプに、C(多分E)も更に、基本C(E)、SEの2タイプに分かれてますからさあ大変。世界中を歩き回るヒトは、すくなくとも7種類のプラグアダプターを持っている必要があるのです。すべての通関で足止めをくらいます。そして、大量破壊兵器の部品ではないことを、いちいち説明しなければならないのです。

それが「これひとつで」、と言われると思わず手が伸びてしまいます。そして、買ってしまったんです。でもね、よ〜く考えてみると、違うのは穴の形と、2つの穴の間隔だけでした。穴の形の差なんてのは、そんなに気にすることはありません。要するに、一番小さなものに合えば良いのですからね。すると、テスターの測定端子みたいのが2本あれば済みますよね。

コードの反対側には、おなじみの日本型ソケットを付けておけばよいのです。損した。・・・そうそう、そんな話じゃなかった。その買ってきてしまったアダプターには、愛称が付けられていたんでした。名付けて「サスコム(SASCOM)」でした。このちょっとなまりのあるネーミングも、きっと、寝ないで考えたんでしょうね。プロジェクトB(番外編級)でありました。
2002/12/11(Wed) 曇り


[ 指輪物語 ]
ハリーポッター・ブームは、まだまだ続きそうですね。読んでませんし、映画も観てないけど、きっと面白いのだろうと思っています。似たような世界に触れた「指輪物語」なら読んだことがあるからです。結局、為替や株やメガバンクばかりでなく、エンタテインメントの世界でも、円は、ドルやポンドに吸い上げられていくのでしょうね。何でエンタテインメントの世界まで、と考えざるをえません。世界に冠たるアニメ技術を駆使したはずの「もののけ姫」、これが国内配収に限っただけでも「タイタニック」に負けているようですから。まして世界においておや、です。

そこで思うのは、朝の時計代わりにしている、いわゆる朝ドラが、最近とみにレベルを落としてきていることです。役者に無理があるのかも知れませんが、根本的にはプロットというかシナリオの問題のような気がします。ドラマと事件を混同しているような、つまり、ドラマを劇画と勘違いしているようなシナリオばかりなのですね。シナリオライターが漫画ばっかり読んでいる証拠のような気がします。そんなライターが書いたものを、あの「おはなはん」に始まる名門時間帯に放映し、無理矢理見せて、そのうえ視聴率をウンヌンしようなんて、何て失礼な、と思いませんか。

こうした現象には背景があるはずです。そんなにTVドラマを観ているワケじゃありませんが、思い当たることがありました。それはもうちょっと上等な世界での出来事です。文学における「○○賞」クラスの作品の質的低下問題です。例えばあの最高級・直○賞です。「該当作品なし」の頻度の歴史を調べてみましょう。戦後数年間はお休みだったようですから、それも考慮し、10年間つまり20回の選考ごとに区切って、受賞作品がなかった回数を数えてみました。すると、

 昭和10年〜   7回
 昭和24年〜   4回
 昭和34年〜   2回
 昭和44年〜   9回
 昭和54年〜   3回
 平成 元年〜   2回

あの激動と動乱の時代、課題山積・話題豊富な昭和44年からの10年間でも、9回も受賞作品がなかったのです。世の中があんまり変わり映えしなくなった最近のほうが、コンスタントに受賞しているのです。出版社の勝手じゃないかと言われればそれまでですが、少なくとも質的向上には逆行しているはずですよ。横綱を粗製濫造した後の角界がどうなったか、議員定数を増やした果ての某議会がどうなったか、・・・一過性のバブルに走りがちな、お祭り民族的体質でしょうか。

「指輪」に象徴される永遠の円環、これを果てしなく追求し続ける民族の能力との差でしょうか。

「下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとし」
                        (「エメラルド板」より)
2002/12/08(Sun) 雨


[ 第20回 ]
朝6時30分集合。準備終了後、直ちに出航。波浪低く、大快晴。久し振り、そして記念すべき第20回東シナ海釣行である。同舟の志は、船長は別として、師匠、その弟子達、テバ・A・B・Cである。驚くべき勢いで弟子が増えている。ま、言うまい。師匠も寂しいのだろうが、ま、言うまい。ひとまず果報は寝て待てだ(寝る)。

渡名喜島のすぐ南、最初のポイントに着く。GO! 第一号釣果はAさん。型の良いムルー(アミフエフキ)である。続いて釣果第二号。今度はテバに来た。驚くべし、30cmぐらいのガーラ(シマアジ)である。船内驚愕、万人呆然(といっても6人だけど)。しかも、この後も、ムルーが立て続けに四匹きた。全て型がよい。

昼からぱったりと食いが止まった。カーハジャー(カワハギ)が二匹きた程度。ところで、さすがは師匠、大振りのヤキイタマン(ハマフエフキ)を上げたりしておられた。しかし総じて、師匠の弟子が増殖している反面、漁業資源は枯渇していたようだ。内地が早々と寒いのに反し、こちらは26度だ、27度だなどと騒いでいる。

大体、11月から3月は、潮流も弱くなり、北風(ニシ)も吹き、お魚さんの食欲が増してくる季節なのだが、今年はだめなようである。代わりに、サメがうようよ居るらしく、鈎がハリスごとぷっつりと噛み切られている。ま、仕方ないか、第20回にこだわったわけであったのだし、オゾンたっぷりの潮風も吸えたのであるし。

例によって西陽を背に帰港の途につく。この海、次に見られるのはいつのことか・・・どんなに釣り好きの人間にも、最期の釣りというものがあるのだろうな、などと西方浄土に思いを馳せつつ・・・

 ありがとう 琉球の海よ
 慶良間 渡名喜に 粟国の島々

      (鳥羽○郎「男の港」より)
2002/12/07(Sat) 晴れ