☆★☆- ホンの幕間 -☆★☆

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[ 拝啓、ドン・ガバチョ大統領閣下 ]
最近、お姿をよくお見かけしますが、相変わらずご健勝の模様、大慶に存じ上げます。40年近い在位という、世界の大統領職の歴史にも名を残すべきギネス級の記録には、心より感服申し上げている次第です。弁舌も、ますます冴えわたってきておられるようで、今後のご活躍がますます楽しみになってきております。

初の任期は、あの東京オリンピックの年に始まりました。そして大阪万博の前年までという、超高度経済成長の真っただ中でしたよね。最近のデフレ基調の世界と比較すると、すべてが全然違って見えていたことです。慧眼なる賢人大統領たる閣下におかれては、現在を見通しておられたことでしょう。ユメ疑うものではありません。

そこで、例の国歌の歌詞に関連して、幾つか質問させて頂きたいと思います。

 波をジャブジャブジャブジャブかきわけて
 雲をスイスイスイスイおいぬいて
 ひょうたん島は どこへ行く
 僕らをのせて どこへ行く

本当に、どこへ行くのか判らない、えらい時代でした・・・「よど号」は平壌に行きましたけどね。ひょうたん島の方は、今現在も、漂流を続けているような気がします。ただ、あのころは「人類の進歩と調和」なんて標語がありましたけど・・・そのスローガンも、いつか消えてしまいました。第一の質問です。この島はどこへ行くのでしょうか?

 丸い地球の 水平線に
 何かがきっと 待っている
 苦しいことも あるだろさ
 悲しいことも あるだろさ

全く閣下の予言通りでした。いろんなことが待っていました。オイルショック、多くの戦争、バブル、その崩壊、・・・、苦しいことも、悲しいことも、それこそゴマンとありました。なぜか、楽しいことや嬉しいことの後には、必ず、取って付けたように、辛いことがあったような気がします。これからも同じことなのでしょうか? これが第二の質問です。

 だけど 僕らは くじけない
 泣くのはいやだ 笑っちゃおう

そう、確かに、そのようにしつけられました。特に団塊の世代などは「負けてたまるか泣くのはいやだ」と、泣くことは敗北だという風な教育まで受けてきています。第三問です。虫、魚、鳥、植物・動物のすべてが泣き、大気が泣き、海洋が泣き、地球も泣く。こんな現状に至ったことについて、閣下は、一体どんな感想をお持ちなのでしょうか?

 すすめ ひょっこりひょうたん島
 ひょっこりひょうたん島
 ひょっこりひょうたん島

最後の質問です。夕日でも眺めながら、答弁をお考えください。それでも、この島は「進め」なのでしょうか? 進み続けなければいけないのですか? どこに? 「クォ・ヴァ・ディス?」、この最後の問いにだけは、是非、明快な答弁をお願いいたします。ぜひ教えてください。あなたの顔を見るにつけ、あなたの「たいしたことじゃない」という言葉を聞くにつけ、疲れを覚える今日この頃なのですから。

追伸:ハカセ、サンデー先生、トラヒゲ、ダンディー・・・皆さまは、今でもお元気ですか?
2003/02/27(Thr) 晴れ


[ カゼの季節の終わりに ]
究極の玉子酒のレシピをご紹介しましょう。玉子酒の材料というものは、全くつまらないものです。玉子、酒、そして砂糖です。こんなものを究極の、などとはケシカラン・・・という方は、以下、ご覧にならないで下さい。血圧があがるだけですから。そうそう、道具も重要でした。それは、ガスレンジ、行平鍋、泡立て器(ホイッパー)、大さじ、などです。さあ、もう我慢できない方、以下は絶対読まなくて結構です。心臓がおかしくなりますから。それでも、という、風邪気味の方だけのためのコーナーです。

テバの場合、そうですね、二十数年かかって、この知見に達したのです。それは、兵庫県は伊丹市の清酒・白○の工場見学から始まりました。そこでご案内くださった部長さんが、「私は、風邪を治すのに薬を使いません。玉子酒だけでやってます」、とおっしゃったのでした。この部長様が教えてくださったのは、要するに、ホイップに全エネルギーを集中せよ、ということでした。風邪で弱った消化器でも簡単に吸収できるまで、玉子を砕けということに尽きました。確かにそうだ、と思わせる説得力がありました。

もう一つのポイントもありました。それは、卵黄を捨てよ、ということです。つまり、風邪に効果があるのは卵白(蛋白質)のみである、ということです。これは、理論的には納得できる話です。しかしその後の試行では、これは大変に飲みにくい、というのが結論でありました。意志の堅固な方には、卵白玉子酒をお勧めしますけどね・・・それからというもの、玉子酒の研究に余念のないテバになったのです。そうして最近、謎の協力者「ひま」さんを相手に、レシピが完成しました。人体実験まで経た貴重な成果です。

@熱の通りやすい鍋を用意します(ステンレス系など)

A砂糖を大さじ2杯、鍋の底に散らします

B一挙に強火にします

C即、酒を約200ml注ぎ込みます

D煮立った鍋を放置しますが(ガスレンジの火にかけたまま)、その間に濡れ布巾を用意します

E鍋に火がついてもそれを横目に平然と、玉子をボウルなどに割ってよーくホイップします

F鍋の中の火が収まりかかったら、鍋をガスレンジから下ろして布巾の上に置きます

G玉子を入れ、全力で掻き混ぜましょう

以上ですが、「酒は白○」の部長さんの教訓も生かされていることはお判りのことと思います。@→Bの手順によって、砂糖はちょっとだけカラメル化します。このことで、口当たり・香りが大変に良くなるから不思議です。F→Gのやり方で、玉子は、ミディアム状態で超細粒化します。すると吸収が抜群になります。玉子酒はマズいものだ、とか思っておられたあなた、一度、騙されたと思ってやってみてください。
2003/02/21(Fri) 晴れ


[ ブラックホールの彼方 ]
まあ、とにかく、一度ブラックホールに落ちてみてください。光すら逃れられないという、究極の重力井戸ですよ。一度は行ってみたいと思いませんか。テバは経験してしまいました。ブラックホールの向こうには、何があったと思います? あの誰かの有名な理論のように、ホワイトホールが待っていたのでした。といっても、ダウニング街の首相官邸じゃないですよ。本当にアタマが真っ白になる世界だったのでした。

事の始まりは、面倒くさいフリーソフトにありました。ドラッグ&ドロップ、D&D、D&D、D&D・・・、とバックアップを取っていたことにあります。まったくもう、CD一枚には収まらないし、小一時間の作業でした。で、本日の朝一番、気付いたのです。こいつが(失礼、この方が)なかなかの優れもので、バッチ処理機能が付属していたのでした(付属テキストファイル「Read Me」は、丹念に読むようにしましょうね)。

快調、快調、サクサクの世界に変貌しました。クリック4〜5回で、必要なバックアップはすべてCD−ROMに取れてしまいます。次、CDを取り替えて残りをBU、簡単至極です。そこで、新たな環境に合わせて大掃除をしましょう・・・ということになります。大きな新品の家具が届けば、誰でも考えることです。本件の場合、BU面倒時代にあちらこちらに引っかけて置いた、各種バックアップを整理しとこうというわけです。

重いものは、特に面倒だったので、サーバの一隅にこっそり巣を営なませておりました。自分でも思い出せないものも、結構あるものですね。ちなみにLAN上でのお話です。お役所や大企業のようなお固いところでは、クライアントが勝手にサーバ上にBUを作る、なんて考えられないでしょう。けれども、フラットを旨としているゆえの、中小零細企業のメリットというものもあるんですよ。遂に見つけました。マイ・ドキュメントのフルBUがありました。

こいつを消して、大掃除もそろそろ終わりです。ところで、明日のために○○君にメモで伝言を残しとこう、と思い、これもフリーのエディターを立ち上げます。メモを作り、名前を付けて保存、と、デフォルトの「フォルダーが見つからない」って?・・・、まったく、「自分で捜す」にして、と、何もないって?・・・エクスプローラに聞こうっと、と、マイドキュメントが空っぽって?・・・、はい、やってしまいました。頭は真っ白。

SEなんかも駆けつけて、大騒ぎ。彼らのご自慢のMTによるタイマーBU(それにしても旧式!)も、去年の夏くらいから停止していたことが発覚。やっとけ、といっといたミラリングサーバも未整備。テバも折角バッチ処理に漕ぎ着けたんだから、フルBUやっときゃ良かったんだけど、それは大掃除のア・ト・デ、なんて認識だったからドボン。しかし、サーバのファイル回復機能って凄いですね。ドクター・ノ○トンなんかメじゃありません。

しょっちゅう書き換えている「予定表.xls」になると、何十個も回復してくれました。合計8千数百ファイル。タイムスタンプもないから、どれがそれか分かんないですよ。おかげで、結構早くあきらめることができました。
2003/02/13(Thr) 晴れ


[ マスクマン ]
インフルエンザが最後の大流行にさしかかっているらしい。大昔、学生時代(言葉の響きすらなつかしい)、ドイツ語の副読本として「ペスト流行記」を与えられた。与えたヤツ(当時・助教授でした)もヤツだが、これは面白いとばかりに、「松柏の梢を亘るさや風に、ペスト猖獗終末の兆しを覚えつつも、失なへる親兄弟の・・・」などと平家物語風に訳していたアホ学生もいたのだ。結構、先生の受けは良かったけどね。閑話休題(このごろこれが多いナ)。

テバは、冬の通勤電車ではマスクマンである。伝染(うつ)されては困る、というだけの吉田戦車的理由だが、圧倒的に少数派である。あの密室的車内で、アカの他人の呼気を平気で吸気しているヒトの何と多いことか・・・ペスト流行記を読ませてあげたい。しかし、最近気付いた。マスクをしないヒトすべてが、衛生思想を欠いているわけではなさそうなのである。マスクというものがあまりにも高価すぎ、欲しくても入手できない、という貧困問題もあるようなのである。

ちなみに、近所のコンビニに行ってみよう。マスクはたしかに高価だ。一番安いヤツでさえ、80円もする。しかもこれは小学生用なので、大変小さい。こんなマスクをしていると、かえって、「マスク貧困者なんですけど、・・・」と言いふらしているようなものだ。この上のランクが標準なのだが、120円から160円ぐらいにはなる。まあまあ世間体も保てるような形状・規模になってくる。3LDK・小さいながらも庭付き、といったあたりになってくる。

これらの全てに君臨するのが、300円台のマスクである。花粉防御機能付き、鼻のところに針金みたいの付き、取り替え用ガーゼ付き、やたらにいろいろ付き、というシロモノである。マスク界のキャディラック(死語)、あるいはイージス艦である。しかしこの種のマスクは、決定的な勘違いをしている。マスクというものはそんなに寿命の長い耐久消費財ではないのに、ということである。あっというまにウス汚れてくる。一冬通して使えるものではないのだ。

コンビニで市販されているものは、ガーゼマスクに分類される。これらの現況・市況は上述の通りだ。ここで財政問題にお悩みの諸兄にお勧めしたいのは、「衛生管理(業務用)マスク」である。これに気付けば、輝やかしいマスク道(どう)が開けてくるのだ。食品工場などのシーンで目にしておられるはずだ。あのドケチの××乳業や××食品が、従業員に1枚300円台のマスクを支給している訳がない。驚くべし、100枚300円(消費税別・送料別)なのだ。

この価格なら、毎日使い捨てても、3ヶ月を300円以下で生活することができる。何といっても一枚三円、今どきこんなに安いものはないだろう。一円玉の方が安い、一枚一円だというあなた、一円玉で風邪を防げますか? というような喧嘩を売る話ではなく、マスクの話でした。ところで、実は、病院でお医者様や看護婦さんが使っているマスク、これも業務用であるため、大変廉価。ER(緊急救命室)の映像などで見るヤツです。これは、一枚20〜30円ということでした。

このテのマスクは、サージカルマスクと、名前も格好いい。そのうえ、院内感染症予防のためのフィルター機能も満載ときている。究極のインフルエンザ対策になりうるのである。ただ問題はデザインにある。いかにもエマージェンシーな格好なので、このマスクをしたシトを見ただけで貧血を起こすヒトも出そうである。こんなものをして満員電車に乗り込んだら、緊急通報されてしまい、次の駅で引きずりおろされるだろう。そこでお勧めは、やはり、食品工業用程度かな。

防塵マスクとか防毒マスクとかもあるけど、これは当面、中東方面の話題として。
(楽ガキ参照)

2003/02/10(Mon) 雨


[ スリーピー・ラグーン ]
この話は二度目になってしまうので、あまり気が進みません。しかし、ある人が、あれはどんな話だったっけ、と訊いてきたので、もう一度してみましょう。テバが、もう20歳ほど若かった頃、スマトラ島北端のラグーンで、実際に夢見た夢です。アチェという街の近傍の、広大なラグーンに、一応、水産資源調査という名目で、船外機付きのボートを漕ぎ出しました。そこで現地の案内をしてくださった、Wさん(日本人)の話を聞いたりしているうちに、うとうと、とし始めたのです・・・・

『南洋のラグーンの昼さがり、あたたかな微風(そよかぜ)が吹いてきます。風は、マングローブの葉を、さやさやと揺すります。ラグーンの水面(みなも)は、ゆらりゆらり。ゆったりとたゆたいます。マングローブの葉の裏、日陰には、小さな小さな子虫がしがみついています。子虫も、葉の揺らぎにつられて、一緒にゆらりゆらり。気持ちの良さに、子虫もうとうと。しがみつく手足も弛みます。夢見心地の中で、思わず手を離してしまいます。そこで、水面にポトリ・・・

マングローブの根方には、子エビがうとうとしています。ポトリというかすかな音に、ハッとします。夢見心地のまま、子虫をパクリとやります。・・・子虫はうとうと、ポトリ、子エビもうとうと、そこでハッ、パクリ・・・風はさやさや、水面はゆらゆら・・・。子虫が一匹、うとうと、ポトリ、子エビが一匹、うとうと、ハッ、パクリ。子虫が二匹、うとうと、ポトリ、子エビが二匹、うとうと、ハッ、パクリ。・・・』

と、まあ、こんなストーリィです。羊が一匹、羊が二匹、・・・に飽きた時にはどーぞ、といった話なのでした。そっと、そっと、おやすみなさい・・・
2003/02/07(Fri) 晴れ


[ ジャンヌ・ダルク考 ]
こんな立派な表題で一文を草するまでになったのです。雑文学の旗手・文士テバとしては、今日までの遠い道のりを顧みるにつけ、ひたすら涙下ルル思いです。

まず、神と人との対話に関し、考察を試みてみましょう。ジャンヌが天から啓示を受け続けたことは、彼女の短い人生で、繰り返し問題にされました。最も多く投げかけられた質問は、そのとき神(時には大天使ガブリエル)は何語で話されたのか、ということです。なぜなら、ジャンヌはラテン語は目に一丁字もなく、自分が日常使う言葉を文字にすることすら、できなかったからです。結論です。神は、人に話しかけるとき、その人の日常の話し言葉で話すのです。神にとっては、バイリンガルなんかはちゃんちゃらおかしい。万能の神は、あらゆる言葉に通じておられたのでした。

ところでジャンヌが生まれ育ったのは、ロレーヌのドンレミという小さな村です。ロレーヌはフランスの東の辺境です。パリを東京とすると、千葉と茨城の県境付近、あえていえば利根川左岸あたり、ということになります。したがって、ジャンヌが12歳の時に聞いた最初の「天の声」は、こんなものだったと推測されます。

 天:ジャンヌゥよ〜、きぎわげ(聞き分け)のいい、いぃご(子)さ、なんだぞー
   よ〜ぐ(良く)教会さいぐ(行く)んだぞー

可哀想に、父親の家の庭で無邪気におままごとをしていただけのジャンヌでした。彼女は、すぐ隣にあった教会の尖塔の方から聞こえてきた声、この重々しいバリトンに、どのような恐れを感じたことでしょう。しかし、しかし少女は誰にもそのことを告げませんでした。ゆえに、運命は与えられてしまったのです。

その後、フランスの国と民と王の運命、そして自らの運命についても天啓を受けます。若く美しい乙女は、18の歳、ついにシャルル7世(前・王太子)と運命の会見をします。シャルルの母親も凄い女傑でして、・・・閑話休題。この時、一人の不躾な軍人が、彼女に無礼な言動をとります。ジャンヌは、すかさず、

 ジ:ンマァ! あんだぁ、カン(神)さんばぁ、ばが(馬鹿)にしてっぺョ
   そんなごとしでっと、すぐにおっぺして(死んで)すまうだべよ

予言通り、この軍人は、その直後、川に落ちて溺死してしまいました。ひるまないジャンヌに、宮廷の取り巻き連中は、なおも嫌がらせを仕掛けます。リモージュ出身の神学教授の出番です。リムーザン訛りを丸出しにしながら、例の問題を持ち出します。リモージュは、う〜みゅ、とりあえず大阪あたりにしとけ。

 教:おまはんの言わはる、天の声たらいうもんやけどな
   いったい、どこの言葉でしゃべってはったんかいな?

 ジ:あんだのづが(使)てるのよか
   ずーっと上等な話し方だったっぺさ

この逸話で、ジャンヌが、大変に機転のきく娘だったことがわかります。ガスコン人(九州人に比定?)の将軍も出てくるし、そのあたりのやりとりなんかも結構面白いのですが、方言の知識が決定的に不足してました。とりあえずは、予告編のオソマツということで、おあとが宜しいようで・・・チャンカ、チャンカ・・・・・

修行しなおしてまいります。
2003/02/03(Mon) 晴れ


[ risk × risk × risk × ・・・ ]
19世紀後半のドイツはリスクを二度冒した。一度目はオーストリアと、二度目はフランスと、と立て続けに戦争をした。仕掛けたのはドイツの方だという。そして連勝した。そこで、その甘い記憶に溺れ、20世紀になってからも、再度、二度のリスクを冒してみた。そして連敗した。あのW・UとA・Hが。リスクとはそんなものだ、と教えられてきた。いつかは逆の目が出て、全てを失うこともある、と。戦争というものは、国家にとって最もリスキーな事業である。歴史的にみると、どんな国でも永遠に勝ち続けることはなかった。だれが考えても、宝籤や競馬で大富豪になったら、もう二度と同じバクチには手を出さない方が賢明だ。しかし、これが国のレベルになると違うらしい。

コロンビアのおかげで半徹夜をしてしまった。

17年ぶりの悪夢とはいうけれど、常にリスクという地雷を踏んできたことである。次がいつなのかということが、判らなかっただけだろう。もちろんテバは、宝籤も馬券も買ったことはないが、宇宙開発には賛成である。バクチをやるかわりに、みずからの心身をすり減らしてまで、様々な形で納税し、ISS(国際宇宙ステーション)に貢献してきた(つもりである)。それはさておき。誰が今回のシャトル帰還にGOを出したのだろう。誤解を避けるためにはっきり言うが、ミッションの内容ではない。イスラエルの戦闘機乗りがいたのは極秘の軍事目的があったのではないか、とか、第二次湾岸戦争に備えて軍事衛星の原子力電池の交換に行ったのでは、などと言うつもりはない。

あまり正確なことを指摘すると、拉致されてしまうよね。

それより思うのは、リスクを含んだ選択の場合、一体どんな人間がGO/NOの決断を下せる有資格者なのか、ということである。大統領なのかNASA長官なのか、というタグイの話である。土曜の午後に一年ぶりのワークショップがあった。そこで考え込まされた矢先だったのだ。その勉強会での議論では、再び、一年ぶりに、科学技術先導の20世紀反省! が中心になった。一応の結論。科学技術者は、ある科学なり技術で必要なコストと冒されるリスクを、正確に評価して社会に公表すればよい、ということであった。そして決して、同時に意志決定者になってはいけない、というのものだった。第一流の科学技術者が評価したとすると、別の科学技術者が意志決定者にはなれない。なぜなら彼は二流のはずだから。じゃあ政治家か、それとも法律屋か、・・・。

そこにコロンビアである。半徹夜してしまった。
2003/02/02(Sun) 曇り


[ 月やあらぬ ]
明治23年7月に行われた第一回衆議院議員総選挙、このときの模様が、当時の方の手で漢詩に残されていました。このころはまだ、旧士族階級に属される方々の間では、漢詩というものは共通の教養だったようです。

 懇親開宴会
 運動走人車
 目下儲銭者
 挽夫料理家
 議員熱心人
 投票不惜銭
 卑辞還厚礼
 依頼及新平

五言律詩というのか何というのか、韻が踏まれているのかいないのか、とにかく形式は判りませんが、意味はそのまんまで明快です。最近の若い諸君は漢文が選択科目らしいので、取らなかった人のために訓み下しておきませう(ん?)。拙作ですが、一応、詩吟にもできるように訓んでおきます。お好きな方は声に出して唸ってください。それでは、どうぞ。

 懇親するに宴会を開き
 運動するに人車を走らす
 目下、銭を儲けるは(者)
 車夫(挽夫)に料亭(料理家)
 議員の熱心なる(人)は
 投票に銭を惜しまず
 辞退するを卑しみ、還りて礼を厚くし
 依頼すること新(平)民に及ぶ 【繰り返し】

それから110年余、そのまんま通用することこれ如何、です。で、その時の投票率の記述もありました。全国では93.9%だったそうです。選挙人総数は15万365人だったようです。投票率最低の県は長崎で88.9%、次が東京他2県で89.1%でした。反対に投票率最高は福岡県の99.9%、特に同県3区と4区は100%だったらしいです。

投票率ばかりは、「花やむかし」の話ですね。
2003/02/01(Sat) 晴れ